専業主婦・自営業の健康診断はどうする?50代の組み合わせ方

「人間ドックは費用がかかるから」「健診を受けるきっかけがない」そう思って、何年も検査から遠ざかっていませんか。

専業主婦や自営業の場合、会社員のように職場から健診の案内が来るわけではありません。自主的に動かないと、なかなか受診まで辿りつきません。実際に、主婦時代の私がそうでした。

今は復職して病院で検査の仕事をしていますが、自分自身も健診をきっかけに悪性腫瘍が見つかり、治療を受けることになりました。健診の大切さは身にしみて感じます。

会社にお勤めでない方にも、特定健診の案内は届きます。また市町村のがん検診は、数百円で受けられる自治体がほとんどです。まだ使っていない方は、この制度をご自身の体と向き合うきっかけにしていただければと思います。

この記事では、50代が受けられる検査を制度ごとに整理して、あなたに合った組み合わせ方をお伝えします。

この記事でわかること
  • 50代が受けられる健診・検診は、大きく3種類
  • 市町村のがん検診で、どこまでカバーできるのか
  • 職場の健診がない方が受けられるもの
  • あなたに合った組み合わせ方(3パターン)

この記事を書いた人

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  • 病院で検査の仕事をしている50代女性です
  • 自分自身も希少がんの治療を続けながら、これまで通りの毎日を送っています
  • 3人の子育て経験があり、親の目線も大切にしています
  • 医療の現場 × 患者 × 主婦、3つの目線で実体験を発信しています
目次

50代が受けられる健診・検診は、大きく3つ

同じ「けんしん」でも、根拠になる制度によって3種類に分かれます。まずここを整理します。

職場の健診/特定健診市町村のがん検診人間ドック
根拠になる制度労働安全衛生法/高齢者医療確保法健康増進法なし(任意)
実施するところ会社・健康保険市区町村医療機関
費用原則負担なし数百円〜数千円3万円〜
目的体の状態を確かめる特定のがんを探す幅広く調べる
対象会社員/40〜74歳の加入者年齢で決まる希望する人

「健診」と「検診」は、漢字が違えば目的も違います。健診は体の状態を確かめるもの、検診は特定の病気を探しにいくもの。この2つは、どちらかで代用できるものではありません。

市町村のがん検診は、思っているより広くカバーできます

5つのがんについて、国が「受けたほうがいい」と定めた検査を、市区町村が安く提供できるシステムが整っています。

国が定めている5つのがん検診

がん検診対象年齢受診間隔検査方法
胃がん50歳以上2年に1回胃X線(バリウム)または胃内視鏡
大腸がん40歳以上年1回便潜血検査(2日法)
肺がん40歳以上年1回胸部X線(+条件により喀痰細胞診)
乳がん40歳以上2年に1回マンモグラフィ
子宮頸がん20歳以上2年に1回細胞診

50代の女性は、この5つすべてが対象です。

子宮頸がん検診は、自治体によっては30歳以上を対象にHPV検査単独法(5年に1回)を選べるようになりました。胃がん検診は、胃X線に限り当分の間40歳以上を対象にしてもよいとされています。

※対象年齢・受診間隔・自己負担額・実施方法は、自治体によって異なります。必ずお住まいの市区町村のホームページか担当窓口でご確認ください。
(出典:がん検診について|国立がん研究センター がん情報サービス

費用は数百円から。無料のこともあります

自治体が費用の大半を負担しているので、自己負担は数百円から数千円程度に収まることがほとんどです。自治体によっては、節目の年齢に無料クーポンが届きます。

人間ドックで同じ検査を足すと、1項目で数千円から1万円以上かかります。この差はかなり大きいです。

申し込みから受診までの流れ

  • 自治体から受診券や案内が届く(届かない場合は自分で申し込みます)
  • 指定された医療機関の一覧から、受けたい施設を選んで予約する
  • 受診する
  • 結果が郵送されるか、医療機関で説明を受ける

案内が自動で届く自治体と、自分で申し込む自治体があります。広報誌に折り込まれていることもあれば、ウェブから申し込む形のこともあります。「(お住まいの市区町村名) がん検診」で検索すると、対象年齢・費用・実施医療機関の一覧が出てきます。

届いた封書を、開封もせずに置いたままにしていませんか。

実は私も、市の検診から離れていた時期があります。通っていた婦人科が閉院してしまって、そこで足が止まりました。そのまま何年も放置していました。

検査の仕事をしている私でも、こうです。きっかけがなくなると、足が遠のきます。

職場の健診がない方へ|特定健診があります

会社にお勤めでない方も、検査を受ける機会がないわけではありません。

40歳から74歳の方には、特定健康診査(特定健診)があります。国民健康保険の方も、ご家族の扶養に入っている方も対象です。加入している健康保険から案内が届きます。

内容は、身体計測・血圧・血液検査(脂質、血糖、肝機能)・尿検査などです。メタボリックシンドロームに着目した内容が中心なので、職場の健診より項目は少なめだと考えてください。

そして、特定健診にがんを探す検査は入っていません。だからこそ、この2つをセットで考えてほしいのです。

主婦・扶養の方へ

特定健診(年1回)+市町村のがん検診5つ。この組み合わせだけで、職場の健診しか受けていない会社員より広い範囲を見ていることになります。「受ける機会がないから」とあきらめてしまうのが、いちばんもったいない選択です。

あなたはどの組み合わせ?3つのパターン

毎年受けるもの数年に一度
主婦・扶養・自営業特定健診+市町村のがん検診(5つ)気になる部位を人間ドックで
会社員職場の健診+市町村のがん検診(乳・子宮頸・大腸)人間ドック
家族に既往がある方上記+医師と相談して項目を追加医師の指示通り

パターン1|主婦・扶養・自営業の方

特定健診で基本的な数値を見て、市町村のがん検診で5つのがんをカバーする。まずはここがベースです。そのうえで、気になる部位がある場合や家族歴がある場合に、人間ドックを検討します。

パターン2|会社員の方

職場の健診は毎年受ける。そのうえで、職場の健診に入っていない乳がん・子宮頸がん・大腸がんを、市町村のがん検診で足します。これだけでカバーできる範囲がかなり変わります。費用も数千円で収まることが多いです。

パターン3|家族に既往がある方

ご家族に同じ病気の方がいる場合や、過去の健診で指摘を受けたことがある場合は、間隔を詰めたほうがいいことがあります。ただし、これはご自身で判断するものではありません。かかりつけの医師にご相談ください。「どの検査を、どのくらいの間隔で受けたらいいですか」と聞けば、答えてもらえます。

全項目を毎年受ける必要はありません
適切な受診間隔は、それぞれの背景で異なりますので、健診時の医師やかかりつけ医の指示に従ってください

よくある質問

Q. 案内が届きません。対象外ということですか?
いいえ。自動で送る自治体と、自分で申し込む自治体があります。「(市区町村名) がん検診」で検索して、対象年齢に入っているか確認してみてください。

Q. 職場の健診と市町村のがん検診、両方受けてもいいですか?
問題ありません。むしろ、職場の健診に入っていない検査を市町村で足すのが基本の形です。

Q. 扶養に入っています。がん検診は誰に申し込むのですか?
がん検診はお住まいの市区町村です。特定健診は加入している健康保険から案内が届きます。窓口が違うので、両方を確認してください。

Q. 引っ越したばかりですが、受けられますか?
住民票のある市区町村で受けられます。転入直後は案内が届かないことがあるので、窓口で確認してみてください。

Q.「要精密検査」と言われたら、費用はかかりますか?
精密検査は保険診療になるので、自己負担が発生します。ただし何かが見つかった場合、早く分かったほうが結果的に負担は小さくなります。

ちょっと寄り道|「人間ドック」の「ドック」って何?

船を点検するとき、いったん陸に上げて、普段は見えない船底まで調べます。その調べる施設をドック(dock)といいます。

人間ドックの「ドック」は、この船のドックに由来するといわれています。動いているうちは見えないところを、いったん止めて隅々まで調べる。その考え方を人にあてはめた言葉です。

始まりは1954年7月、国立東京第一病院(現・国立国際医療研究センター)。「短期入院精密身体検査」という名前で、数日間入院して検査を受けるものでした。この名称が長いため「人間ドック」と呼ばれるようになった、といわれています(命名の経緯には諸説あります)。

ちなみに「人間ドック」は和製英語です。英語では medical check-up や comprehensive health examination と言います。日本で生まれて、日本で育った検査なんですね。

船は定期的にドックに入ります。壊れてからではなく、動いているうちに。もとの言葉には、そういう意味が込められています。

それでも足りない部分は、人間ドックで

市町村のがん検診は、5つのがんに絞られています。この5つに入っていない部分を調べるには、次のような検査があります。

腹部エコー……肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓
胃カメラ……バリウムより粘膜を直接見られます
大腸内視鏡……便潜血では、出血していないポリープを拾えません
子宮体がんの検査……子宮頸がん検診とは別の検査です

私自身も、職員健診に追加した腹部エコーで見つかりました。腹部エコーは市町村のがん検診には入っていません。

婦人科が閉院してから何年も受けずにいた検査も、昨年から人間ドックのオプションで足しました。幸い、何もありませんでした。

でも、何年も空けたことに変わりはありません。何もなかったのは、たまたまです。

ここまで項目を追加したくなったときが、人間ドックを検討するタイミングです。そう、50代のあなたです。

人間ドックの費用は、どこから出す?

主婦の立場から見ると、人間ドックの数万円はちょっとハードルが高いです。自由に使えるお金を持っていないと、ここに費やすべきかどうか……。私もそうでした。

早く見つかれば、治せる可能性は高くなります。逆に私のように進んだ状態で見つかれば、治療にかかるお金は人間ドックの比ではありません。通院で時間も取られますし、家族に付き添いをお願いしなければならないことも想定されます。

生計を共にしている方がいるなら、そこから出してもらべきお金だと思っています。

健康でいることが最大の費用節約です!

この記事のまとめ

  • 50代が受けられる検査は3種類。職場の健診/特定健診、市町村のがん検診、人間ドック
  • 市町村のがん検診は5つ。数百円で受けられ、無料のこともある
  • 職場の健診がない方にも特定健診がある。がん検診とセットで考える
  • 特定健診+がん検診5つで、職場の健診だけの人より広くカバーできる
  • 腹部エコー・胃カメラ・大腸内視鏡・子宮体がんは、どの制度にも入っていない。ここが人間ドックの出番

受けない理由は、金銭面よりもきっかけだと思います。市町村からの案内が届いていないか、探すところから始めてみてください。この記事が、そのきっかけになればうれしいです。

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健康上の判断や治療方針については、必ず主治医または適切な医療機関にご相談ください。

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