放射線治療で髪の毛は抜けるの?それとも抜けないの?私が受けているのはPRRT(内照射)という治療で、使う薬はルタテラです。放射性物質を含んだ薬剤を点滴で体内に入れ、がん細胞に直接照射する比較的新しい治療法です。一般的に抗がん剤のような脱毛は起きにくいとされていて、医師からも「確率は低い」と言われていました。それでも、実際に洗髪時に手に絡まる抜け毛を手に取る不安は、経験した人にしか分かりません。
治療の説明を受けたとき、渡された説明書に副作用の発生率が書かれていました。脱毛症は29%。国立がん研究センター東病院のサイトにも、日本で行われた臨床試験の数字として同じ割合が出ています(出典:ルタテラによる副作用|国立がん研究センター東病院)。
3人に1人まではいかないけれど、4人に1人よりは多い。私は、その29%に入りました。
吐き気67%、下痢52%など、ほかの副作用の発生率はnoteにまとめています。
PRRT(ペプチド受容体核医学内用療法)って? ルタテラ投与に辿り着くまで|note
先に、この記事の結論(私の場合の経過)をお伝えします。
- 抜け毛が目立ち始めたのは投与から約2週間後
- 明らかに多い状態が約10日間続いた
- その後、約2週間でいつもの量に戻った(1回目の投与時点)
- 抗がん剤のようにすべて抜ける「脱毛」ではなく、毎日少しずつ減る「抜け毛」だった
がん相談支援センターで看護師さんに相談し、脱毛や頭皮ケアの話を聞いてみました。髪の備えは「ヘアピース(部分ウィッグ)」と「フルウィッグ」、大きく分けてこの2択です。私の治療はまだこれからの照射の方が多いので、今の段階では決めることができませんでした。リーフレットに載っていない部分的なウィッグも、商品としてはあるとのお話。一度、商品を見てみたい。それがウィッグ店を訪問し始めたきっかけです。
医療用ウィッグは驚くほど種類があり、お値段もピンキリ。必要になった時のために、種類や価格などをある程度把握しておくことは、安心へと繋がります。通販サイトで購入できるものもあり、それを選ぶことも選択肢の一つです。
医療用ウィッグは、まだまだ情報が少ない分野です。私と同じ状況の方や、これから治療が始まる方へ、少しでもヒントになれば嬉しいです。
この記事でわかること
- ✓PRRT(内照射)でも抜け毛が起こり得ること
- ✓私の場合の経過(いつから・どれくらい続き・いつ戻ったか)
- ✓「脱毛」と「抜け毛」の違い
- ✓治療中の「見た目問題」との向き合い方
1回目の投与後、予想以上に抜けた事実
投与からちょうど2週間目。入浴後の掃除。いつもより抜け毛が多い?
排水管にたまっていた抜け毛を摘み、ちょっとした副作用で抜けてきたかな?
副作用の説明でも聞いていたしなあ。
この日は気にならず、抜け落ちた髪を摘んで軽くそう思っただけでした。
その翌日から恐ろしい事態が。
髪をシャンプーで洗う時、濯ぐ時、髪の束がいつまで手にまとわりつくの?
まとわりついた抜け毛をシャワーで流し続けました。
恐る恐る、入浴後の排水管をみてみると、排水管の底が見えない。
海苔がべっとりとついているように
抜けた毛が排水管に溜まっていました。
抗がん剤のように全て抜けてしまうことはないし、抜けても一時的。
事前にその情報はもらっていましたがかなりショックでした。
この状態が約10日。概ねいつもの量に戻るまで、1回目の投与後は2週間かかりました。
今後の照射で、これがまだ続くのか。なんとも言えない寂しい気分で落ち込みました。
そもそも「抜け毛」と「脱毛」は違います。脱毛はごっそり抜ける、いわゆる抗がん剤でよく知られる症状。でも私が経験したのは、それとは少し違う。毎日少しずつ、でも確実に減っていく感覚です。

万が一に備えて、ウィッグ店舗へ
この状況でカラーケアはやって良いのか?頭頂部のいわゆるプリンちゃんが大きくなるにつれ、外出も控えるようになってしまいました。久々に知人に会うと、外出ってやっぱり楽しい。楽しむためには身なりも大事だなと、改めて思いました。それがきっかけでウィッグを準備してみてはと思い、何店舗か回りました。
医療用ウィッグは種類の多さにびっくり。さらに金額は、腰が抜けるほど高価なものもありました。今治療が始まったばかりの私は、この時点でどれを購入すべきかの判断は見送り、ある程度の目星を付けておくことに留めました。

自己責任で毛染め
頭皮トラブルは落ち着いたものの、美容院に行くタイミングを逃したため、全体的に髪は伸びました。いっそのこと治療が落ち着くまで美容院へ行くのはやめようか、そうも考えました。ただ白髪も徐々に目立ち始め、ファンデーション状とペンシル状の毛染めを駆使してケアしていましたが、そろそろ限界。職場では人との接点が多い職種であるため、仕事のパフォーマンスは下がり、プライベートでは外出をしなくなりました。
どうにかしないと。でも、毛染めって、きっと頭皮には良くないよね?自問自答を数日繰り返していました。
いつもの美容院に電話し、治療のことを説明。意外にも、がん患者さんのお客さんはいらっしゃっていて、抗がん剤治療中のお客さんもいるとの事。私はかかりつけの美容院で長年ヘッドスパをお願いしていて、担当者も決まっていました。頭皮の状態は毎回見てもらっていて、いつもと変わらないとの事。その一言で、染める事を決めました。
担当医師、看護師さんには相談していません。頭皮にトラブルがあったと知っている患者に対して、医師や看護師の立場から「染めても良いです」とは言えないことが分かっているので、あえて聞かずに行動に移しました。本来は相談してから決めるのが筋だと、医療の現場にいる私自身がいちばん分かっています。それでも、このときの私には「今」が大事でした。
※これはあくまで私個人の判断です。長年通っている美容師さんに頭皮の状態を毎回確認してもらった上での選択でした。治療中のカラーリングは、治療内容や頭皮の状態によってリスクが変わります。この記事を読んでいるあなたは、主治医や看護師さん、または治療中の施術経験がある美容師さんに必ず相談してから判断してくださいね。
仕事は工夫すれば今のまま続けられるし、外出もできる。見た目が気になってできないのは勿体無い。
この毛染めは、今を生きるための行動です。
まとめ
治療中の「見た目問題」は、命に関わらないからこそ後回しにされがちですが、生活の質には想像以上に響くと痛切に感じました。この記事の持ち帰りは3つです。
- ルタテラによるPRRT(内照射)でも抜け毛は起こり得る。ただし私の場合は一時的だった
- 「脱毛じゃないから大丈夫」ではない。少しずつ減る抜け毛でも、心は削られる
- ウィッグは必要になってから慌てて選ばず、元気なうちに下見しておくと安心
私が罹患している希少がんの方だけでなく、同じ状況の方が「事前に知っていてよかった」と少しでも安心材料ができるように、これからも情報発信していきます。
治療そのものの記録は、noteに書いています。健診で腫瘍が見つかったときのことから、投与ごとの入院レポートまで。
げらこのnote|NET(神経内分泌腫瘍)との共存
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